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Q1. こむら返り

質問

最近よくこむら返りをおこします。睡眠中に突然おこることが多いため、またおこるのではないかと、毎晩不安な気持ちでふとんに入っています。そんな状態ですから、当然十分な睡眠をとることができません。これまで運動中にこむら返りをおこすことはあったのですが、睡眠中でもよくおこるものなのでしょうか。どこかからだが悪いのかと気になってしまいます。こむら返りをおこす病気などあれば教えてください。なお、現在は高脂血症のため、その治療薬を服用しています。(63歳女性)

回答

こむら返りは、自分の意志とは関係なしに起こるふくらはぎの筋肉の痙攣で、強い痛みを伴い、足は尖足位という爪先立ちの形をとります。

人間のからだは筋肉の収縮と弛緩を調節することによって、バランスのとれた動きをします。この調節の仕組みは、脳や脊髄などの中枢から信号が神経を通って筋肉に送られ筋肉の収縮が起こり、次に筋肉や腱のセンサーから逆方向に信号が中枢に送られ、どれくらい収縮するか弛緩するかが決められています。こむら返りは、この仕組みのなかで起こる異常収縮です。

筋肉の異常収縮が起こる理由は次の2つが考えられています。ひとつは神経や筋肉が刺激を受けやすい状態になっていることです。スポーツなどで多量の汗をかいたとき、妊娠中のカルシウム不足、下痢による脱水、人工透析により電解質バランスが崩れたときなどに神経や筋肉が興奮しやすくなります。もうひとつは、筋肉や腱のセンサーがうまく働かない場合で、寝ているときに起こるこむら返りは、この理由が考えられます。寝ていると下肢の温度が低下しセンサーの感度が鈍くなります。またふとんの重みや重力のために足は尖足位になっています。尖足位で膝や足を伸ばし、ふくらはぎの筋肉が収縮しても収縮の程度が少ないためにセンサーがうまく働かず、尖足位が強調されこむら返りが起こります。

こむら返りの多くは健常人にみられる一過性のもので、治療を必要とすることはまれです。しかし、こむら返りが頻回に起きたり、ほかの複数の筋肉にも痙攣が起こる場合は筋肉や神経の病気、甲状腺疾患などの疑いがあります。

予防は発汗に対する水分と電解質の補給、バランスの良い食生活、体調を管理し過労や睡眠不足に気をつけるなどです。また寝ていて膝や足を伸ばすときには、踵を突き出すようにして尖足位にならないようにします。

さて、ご質問を拝見すると、高脂血症以外には特に病気がないようですので、健常人にみられる一過性のこむら返りと思われます。こむら返りに対しては、芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)という漢方薬が非常によく効きます。当院でも実際に処方していますが、高い比率で改善が認められています。ところで高脂血症の薬を内服しているとのことですが、高脂血症の治療薬のなかには、副作用としてまれに筋肉の痙攣を起こすものがあります。芍薬甘草湯の処方と服用している薬の副作用について、主治医にご相談ください。

【『暮らしと健康』平成16年4月号浅井忍】

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