【変形性肘関節症】

壮年以降の肘関節痛

はじめに

 今回は、運動や作業など、肘の関節に、大きな負荷がかかった後に、痛みやシビレを感じる変形性肘関節症のお話です。

原因

 長年、働いてきた職人さんの中には、肘を十分に曲げ伸ばしすることができなくて困っている人がいます。このように、大工さんや削岩機、チェーンソーを扱ってきたような人、それにスポーツ選手などは長い間、肘関節に大きな負荷がかかったため、肘の軟骨が壊れ、余分な骨である骨棘ができることにより、痛みと動きの制限が出てきます。

症状

 運動や作業の後、肘の痛みが出るのが特徴です。その後、進行すれば、顔に手が届きにくくなったり、肘が完全に伸びきらないなど、関節の腫れや骨棘により肘関節の動きに制限が出てきます。

 肘の内側を机の角にぶつけると、ビリッと電気が走ったように感じます。この神経が尺骨神経で、肘の内側の骨の溝に沿って走っています。この骨の溝は肘部管といい、関節の変形によって肘部管が狭くなり、尺骨神経麻痺が起こったものを肘部管症候群といいます。尺骨神経麻痺が起こると、薬指と小指にシビレが出て、握力が弱くなります。

治療

 体重のかかる股関節や膝関節と違って、普段は肘には大きな力はかかりませんので、痛みはあまり強くありません。抗炎症剤の内服、湿布、温熱療法、関節内注射などで痛みが改善することがほとんどです。

 骨棘により肘の動きが制限される場合、リハビリテーションを行っても、十分な効果が得られないことがあります。その際、日常の動作に大きな支障があるときには、骨棘を取り除いて肘の動きを良くする手術を行うこともあります。

 変形性肘関節症による肘部管症候群は、症状は進行性ですので、運動麻痺や手の筋肉の萎縮が出れば、早期に手術が必要です。

おわりに

 肘が痛くなる病気やけがはいろいろありますが、なかには変形性肘関節症や肘部管症候群のように、どんどん進行していくものもあります。それらの診断のためにも、早めの整形外科の受診が大切です。