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生命の値段:医療経済学の視点から1999/5/7 |
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高度先進医療費の抱える問題 中でも超高額医療の問題は、高度先進医療費に際限がないということです。医療が進歩すれば、当然高額医療が多くなってきます。医療が高度になれななるだけ高くなるのは当然なのです。 それを明らかに示しているのがレセプトから見た医療費(日医の医療政策会議の9年度報告:10年2月発行)です。 総医療費の中の高額レセプト(平成5年度の資料) 政管健保・国保のレセプトを高い順より並べると ---------------------------------------- レセプト点数 総医療費の割合 上位から1%未満 26% 上位より1%-10%未満 38% 上位より10%-25%未満 14% 下位75% 22% ------------------------------------------ 医療費は レセプト点数の上位10%未満で64%使用している。 レセプト点数で下位の75%では全体の医療費の20%強です。 これを具体的に示して行くと 1)高額医療費の9割が末期患者のための支出に 高額医療調査によると、医療費が1か月80万円以上のものは約21万件。200万円以上は約1,2千件。こうした高額医療者の内、9割が治療1か月から6か月以内に死亡している。とりわけ死亡1,2月前に手術、投薬が集中しており、延命治療のあり方が問題になりそうである。(読売7/26) 死亡例のほうがお金がかかる。いわば無駄になっているのです。 2)腎臓や角膜移植は死体から移植が可能なため、腎移植は年間約 600件、角膜移植は約1500件程度行われている。また肝移植は生体部分肝移植がこれまでに約500件、膵臓移植は過去15件の実績があるほか、生体小腸移植は1件のみが行われている。 事例 ○渡米した場合の額 <若林正君を救う会> http://www1.nisiq.net/~wakabaya/ <国際移植者組織・トリオジャパン> ○米で心臓移植の女児帰国へ 3)現在のレセプトでは 月1千万円超が最高の72件 健保連の高額医療費調査 サラリーマンやその家族が加入する健康保険組合の全国組織「健康保険組合連合会」(有吉新吾会長)は二十一日、一九九七年度の高額医療費に関する調査結果を発表した それによると、九六年十一月―九七年十月の一年間で一カ月の医療費をみると、健保連の高額医療交付金の対象となったのは対前年同期比三・八○%増の三十一万九千七十一件を記録。特に医療費が一カ月一千万円を超えた「超高額医療」は五件増えて七十二件に達し、いずれも過去最高となった。中でも医療費が一カ月二百万円以上のものは三万六百五十九件で五・七二%増。医療費の高額化が年々進んでいることを裏付けた。高額医療機器の普及など医療の高度化に加え、心臓病や脳疾患にかかりやすい中高年者が増加していることが原因とみられる。一千万円を超えた七十二件の内訳をみると、心臓・循環器系疾患が四十一件、がん・白血病系疾患が十三件、その他十八件で、血友病を除くと手術費が医療費の大部分を占めていた。 4)保険上の扱い ○高額医療制度 健保連の高額医療交付事業では、原則として一カ月の医療費から患者の自己負担限度額六万三千六百円を引いた額が九十五万円以上あった場合、九十五万円を超える部分について健保連が補てんする仕組みになっている。 ○保険適応 臓器移植の高度先進医療適用を決定 中医協 (工藤敦夫会長) は15日の総会で、脳死体からの臓器移植を高度先進医療として保険適用することを決めた。 臓器移植法の施行に合わせ、移植医療を促進させるとともに患者負担を軽減する。医療機関から申請があれば、専門家会議、中医協で高度先進医療の適用を検討する。 死体,脳死体からの移植の場合も既存の診療報酬点数を適用する。心臓や肺、肝臓、膵臓、小腸の移植は「新規の技術であり、今後の実績を基に高度先進医療としての適用を検討することを原則とする」。医療機関からの申請にあたっては「事前に十分な情報の提供を求めた上で適切な審査が速やかに実施できるように配慮する」としており、従来の5例程度の実績を求めていたことにはこだわらない。とくに肝臓は生体部分肝移植がすでに高度先進医療に適用されているため、申請があれば直ちに適用の検討を始める考え。 以上のように、渡米ですと2億、日本でも1000万以上の、費用がかかり財政を圧迫しつつあります。 高額医療の抱える問題への対策 医療費が伸びるのは、医療の進歩という本質的な面があり、やむを得ない面があります。私なりに問題への対策を挙げてみます。 1)国民への廉価な医療サービスの提供 医療の目的は国民の健康維持である。そのために早期発見早期治療が、第一である。医療機関の受診率を下げてはいけない。患者負担は減らさなければいけない。総額に制限がある以上、医療の無駄を省き、医療供給の効率をあげ、医療費を減らさなければいけない。 2)高齢化に対する対策 少子高齢化は、経済の低成長と、世代間の相互扶助制度の存続をあやうくする。医療としては、プライマリケア制度の確立による、より効率的な医療サービスの提供。最終的には介護保険と、患者のQOLの向上(ホスピス)で対処すべきであろう。ただし、介護保険は社会的入院とコスト的には変わらない。ターミナルケアは、在宅では家族への負担が重くなる。かつ割高である。施設介護を旨く組み合わせる必要がある。 3)高度先進医療に対する対策 医療の進歩による、医療費の高騰は本質的なものであり、やむを得ない面もある。医療の主導による、費用対効果の徹底分析と、根拠に立脚した医療に基づいた医療を推進し、医療の質を上げる必要がある。もとより、医療への投資を必然化しなければいけない。そのためには、国民の理解を得る必要がある。質の向上と合理化とともに、医療が信頼関係によりなりたっている以上、医療の倫理の徹底も重要である。 ということなのですが、人口の高齢化と少子化の中で、この金額をどこまで支えきれるのか、今医療保険の分野では激論が交わされています。 本田忠(本田整形外科クリニック) |
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